30年ローンで一軒家を購入したのは今から10年前のこと、妻がパートで働いてくれていることもあり、ローンの返済は辛うじて出来ている。
購入10年目の年に入ると、住宅メーカーから定期点検のお知らせが届くようになった。
それを見て「またか」、定期点検を行わないと長期保証が受けられない、万が一、家に欠陥が現れたら自己負担で修理をしなくてはならない。
定期点検があることは購入した時に分かっていたこと、購入1年目、3年目の定期点検は受けた、正しく言えば受けられる経済的余裕がまだあった。
しかし、悪いウィルスの影響で収入は減ってしまい、定期点検を受ける余裕はない。
お知らせの返信を怠ると、住宅メーカーの営業マンが家に訪ねて来る、わざわざ来てくれて追い返すのは悪いため、「10年目の定期点検は幾らするの？」か聞いてみると、「外壁塗装もするので、200万円ほど掛かります」。
見積書を見ると水回りやフローリングなど、素人目からだと必要がないと思われるものまで含まれていたため、「ちょっと、考えさせて」。
私、「どうする？」
妻、「どうするって、修繕をしないと保証が受けられなくなるわよ」
私、「そうだけど・・・」
妻、「・・・」
経済的余裕が無いことは妻が一番分かっている。
10年前に購入した当時に世話になった住宅メーカーの営業マンに相談をしようと思ったのだが、退職していた。
家に来てくれた営業マンにキャリアを聞くと「入社1年目です」、この営業マンも10年後には残ってなさそうなため、家を購入した住宅メーカーでの定期点検は断念し、外壁塗装は別の業者にお願いした。
お願いしたのは外壁塗装専門の業者で利用者の評判は悪くない、住宅メーカーでやってもらうより外壁塗装費用は2割ほど安く済んだ、その2割で他を修繕することが出来る。
病院に例えると住宅メーカーは様々な診療科を持つ総合病院、私が頼んだ業者は専門病院。
住宅メーカーや総合病院のようなブランド力はないが、外壁塗装を専門にしているだけあり作業に無駄がなく、見ていて気持ち良いくらいだ。
別の業者に外壁塗装をしたことで住宅メーカーとは関係が途絶えると思っていたが、今も頻繁に定期点検のお知らせが届く。
