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外壁塗装の副作用

外壁塗装の副作用

私が暮らす家は建ぺい率の高い都市部にあり、隣の家とは30センチほどしか空いていない。家の裏へ回るには、窓から出るか隣の家との間を通るしかない。
窓から出るには荷物を片付ける必要があり面倒臭い、隣の家との間を通って家の裏へ行くと、妻が「転んだの?」
私、「転んでないよ、どうして?」
妻、「洋服が汚れてるわよ」
汚れていたのはお腹の部分、隣の家との間を通るのに横向きになってカニ歩きをしたため、太って出ているお腹が自宅の外壁に擦(こす)ってしまった。
私、「お尻は大丈夫?」
妻、「お尻は汚れてないわよ」
隣の家の外壁にお尻が擦ったのだが、汚れたのは自宅の外壁に擦ったお腹だけ。自宅の外壁を触ってみると、妻がメイクで使うファンデーションのようなものが手に付いた、隣の家の外壁も触ったのだが、手には何も付かない。
隣の家は昨年外壁塗装をしたばかり、そのため、まだ外壁にはコーティング効果が残っているのだろう。
狭い土地に家が建っているため、駐車場は借りている。その駐車場には屋根がないため、車の塗装は剥げ、家の外壁と同じで触るとザラザラしている。
塗装が剥げた車で迎えに行くと娘は嫌がる、年頃のため仕方がない。
10代の娘は肌がピチピチして潤いはあるが、結婚20年目の妻は肌がパサついている。
劣化をすると粉を吹くのは、家も車も人間も同じなのだろう。
防火対策なのか私が住んでいる地域では建て替えが困難になっており、隣の家も建て替えはせず何度もリフォームをしている。
都市部では自分のことだけを考えてはダメで、景観のことも考慮しなくてはならない。
外壁塗装で塗ってもらう塗料は白色、白色にしたのは両隣の家も白色だから。同じ色にしたのは景観だけのことではない、万が一、隣の家に塗料が飛んでしまっても同じ色なら目立たないから。
両隣の家も私と同じようなことを考え外壁を白色で塗ったと思う、都市部では気を遣うのはお互い様。
家の前の道は人の通りが多いため、外壁塗装をするにも警備員を雇わなくてはならない。
学校へ行くために娘が家を出ると、警備員さんが娘に挨拶をしてくれた、私にも挨拶をしてくれた、何だかセレブになったような気がして、その日の娘は珍しく機嫌が良かった。
外壁塗装に掛かった期間は約1ヶ月、駐車場がある家なら駐車場で職人さんは休むことが出来るのだが、うちには駐車場がないため、客間で職人さんに休んでもらった。
外壁塗装をしてくれたのは若い職人さんばかり、若い男性が家に来ることは滅多になく、外壁塗装をしている間の妻は普段より化粧が濃かった。

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