私、「ちょっとヤメてよ」 旦那、「良いじゃないか」 私、「業者さんに見られるわよ」 旦那、「別に見られたって良いじゃない」 私、「貴方は良くても私はイヤなの」 旦那、「恥ずかしいのか?」 私、「・・・」 旦那、「なあ、恥ずかしいのか?」 私、「・・・」 私が返事をしないと、旦那は部屋の明かりを付けた。 私、「消してよ。外から丸見えよ」 私が旦那にバスローブを着させたのは、旦那は下着のままで家の塗り替えをしてくれている業者さんのマネをしているから。 旦那は、私がメイクで使うハケで、部屋の壁紙に塗るマネをする。 私、「どうして、塗装屋さんにならなかったの?」 旦那、「シンナーの匂いが、どうしてもダメだったんだ」 私、「塗り替えをしているのに、シンナー(塗料)の匂いは全然しないわね?」 旦那、「そうだな。シンナーの匂いがしないなら、塗装屋さんになれば良かった」 私、「今からでも良いじゃない」 旦那、「僕が塗装屋さんに転職しても良いの?」 私、「全然良いわよ」 旦那が塗装屋さんに転職することに私が反対しないのは、体力が続かない旦那では塗装の仕事は無理だと思っているから。 下着のまま塗装屋さんのマネをしているだけで、体力の無い旦那は息切れしている。 旦那、「塗装屋さん、僕より年上だよな?」 私、「そうね」 塗装屋さんに転職することは無理と悟った旦那は、犬小屋の塗り替えをDIYで行った。 それを見て塗装屋さん、「筋が良いですね」 旦那、「本当ですか?」 本当なわけがないのは、ペンキをベッタリ塗られた犬小屋に住まなくてはならない犬でも分かること。